Our Base Camp!

ボクらは今日も旅に出る 山へ 川へ 見知らぬ土地へ 人生が旅ならば 気に入った場所すべてがボクらのBase Camp

父と息子と焚き火と風と…改題

「おとうさんあのおとなあに?」

 

「川の流れる音だよ」

 

「おとうさんなんでテントゆれるの?」

 

「風が強いんだ」

 

「おとしずかにしろ~!!」

 

「ZZZ…」

 

きっと不安だったんだろう。いつにも増してくっついてくる息子の寝顔を見ながら親としての嬉しさを噛みしめる。

 

彼にとって今日という日はどんな風に思い出になるんだろう。少なくともボクにとって今回のキャンプは、自分が初めて行ったキャンプより、お金をかけた旅行より生涯忘れることの出来ない深い思い出となったことは確かだ。

 

出発当日、朝からはしゃぐ君の姿に後押しされるように車に荷物を詰め込む。珍しく重い荷物を持ってくれる君。自ら身支度を整える君。小さい体で今日のうれしさを表す君の姿に「素敵な1日に…」祈るような気持ちで空を見上げる。

 

天気予報は晴れ。でも予想したより雲が多い。星は出るかなあと独り呟く。

 

今回の野営場所は家から車で10分!馬見ヶ崎川のほとり、通称「唐松観音前広場」。秋の芋煮会シーズンはにぎやかな場所だけどこの季節はまだ静かな感じだ。トイレあり、水道あり、しかも無料。何か不測の事態が起こっても家も近いし安心。我が家の他には一組のグループのみ。早速寝床の設営にかかるが、あまりの強風のためタープは省略。テントは久しぶりに使用するシェラデザインのフラッシュライト。風に負けないようしっかりペグを打ちこむ。

でもその強風を逆に利用して息子は凧上げを楽しむ。その後河川敷の遊歩道に沿って川を下り、春の草花を探しながら探検。オマケで唐松観音様にお詣りし、今晩の無事を祈る。

とここまでは次男Ryoと妻Chiチャンも一緒。本当ならば夕食のBBQも一緒に食べてから、帰れる予定だったんだけど、あまりの強風と天気予報に反する肌寒さで急遽夕食前に帰ることにする。

母親に抱きつく息子。でもその口からは「寂しい」という言葉は出ても「帰る」という言葉はついに出なかった。少し薄暗くなった駐車場に車が無くなるとぼそっと「あ~いっちゃった おかあさんだいじょうぶかなぁ」の一言。彼なりに強がってるなと感じ手をぎゅっと握りしめる。

 

でもボクらの願いとは裏腹に風は強さを増すばかり。息子はひとまず車の中に非難し、ボクは夕食の準備に取りかかる。

風のお陰で炭はすぐに起き、おにぎりチャーハンとBBQの夕食を息子と2人きりで食べる。

 

「おとうさんおいしい~!!」

 

つづく