側を通り過ぎる父に気付きもせずに、
「うわ~」
だとか
「きゃー」
なんて声をあげている息子の様子にちょっとひと安心。
安心したら何故か、「雪山がおいらを呼んでいる」と勝手に解釈して、リフトにのり、久しぶりにアドレナリン全開でガスがかかる急斜面を攻める!2本滑ったところでおいらもまだまだ捨てたモンじゃないな~なんて自己満足に浸りながら、レストランに戻り、Shuの様子をChiチャンに報告。
二人で話した結果、申し込み用紙に
初めて と 滑れるけど止まれない
があって、当然おいらは後者に丸をつけた訳で、でも自分でスキーを履いたり、歩いたりから始める 初めてコース にすれば良かったのかなあということになった。たしかにShuはスキー自体は初めてじゃないんだけど、おいらがマンツーマンで教えていた分、親に頼ってスキーを履かせてもらったり、転んだら助けてもらったりと気付かないうちに何でもしてもらってきた節が否めない。二人で今回の件でスキー嫌いにならなきゃいいけど・・・と心配していた。
スクールが終わり、皆で迎えに行くと変にテンションがあがって、はしゃいでいるShuが居た。コーチの話ではあの後案の定「おとうさんは~」とか「みんなどっかいっちゃった~」と泣いていたそうである。でも肝心のスキーの方は何とかハの字も作れるようになったらしい。
旅館に向かう車の中、恐る恐るShuに今日の感想を聞いてみる。
「今日楽しかった?」
「うん。たのしかったよ~」
「じゃ今度又学校に入ってスキー教えてもらう?」
「いやだ!」
即答である。
宿に入り、何回か温泉にも浸かり寝入った息子の寝顔を見ながら、そもそも楽しむという目的のためにスキーを始めたのに、何を焦って「教え込ませよう」としているのか、まだ年少だし焦ることはなかったな、悪いことをしたかなあと反省ばかりしている父であった。
次の日、天気予報に反して青空が広がり、午前中くらいは晴れそうな天気になっていた。予定としては標高の高くない場所でスノーシューハイキングを考えていたのだが、あまりの天気にスキーに行こうとChiチャンが言い出した。おいらはShuがはたしてスキーに行くというだろうか・・・不安だったのだ。
ところが
Chiチャン「Shu 今日もスキーに行こうか?」
「うん 行く!」
即答である。
昨日とは打って変わって青い空の下、スキー場に車を走らせる。そしてスキーを履いたときから、今日の青空のように、昨日とは違うShuの姿があったのである。まずスキーを自分で履く。上手に自分で歩く。ボーゲンの形で上手に滑る。(勿論ボーゲンヘルパー不使用で)そして、転んだら自分でキチンとスキーを揃えて立ち上がる。わずか2時間の昨日のスクールでこうまで変わるものなのかと感心してしまいました。
そこで、リフトに乗りながら、
「また今度天気のいい日に学校に入ってみる?」
「いやだ!」
即答である。
でも今回のスキートリップは、Shuのがんばりが一番の収穫だった。親としては心を鬼にして(大げさな 笑)スクールに預けたことが、子どもより親にとって良い経験になったようである。Ryoはまだまだ寒いのがイヤらしく、ソリに1,2回乗っただけであとはレストランでChiチャンと留守番状態。来シーズンこそはChiチャンのスキー買ってしまおうとShuと二人企んでいる父であった。
ちなみにおいらはひとりで滑った2本が久々に血を騒がせてしまい、いかにして一人で滑りに行けるかなんて悪いことを考えている。
追伸 出掛ける前にあんなに心配していたRyoの夜泣きだったけど、さすがに疲れたらしくぐっすりでした。