昔子どもの頃、雪の中に大の字に寝そべり、何も音が聞こえない中、次から次と降り続ける雪を見るのが好きだった。
今からおよそ20年前、ボクはある本屋の雑誌コーナーで不思議な本を目にした。その本の表紙はランタンの光だけ、雑誌名はそう「Outdoor」。何かに惹かれるようにボクはその本を手に取り、レジに向かっていた。
当時デビュー仕立てのハリウッドスターが初々しい演技をみせた映画があった。スクリーンに映し出されるモンタナ州ミズーラの雄大な川の流れと「神のリズム」を自在に操るフライフィッシング。美しくて溜息が出た。その時感じた川の流れは今もまだボクの中でとうとうと流れ続けている。
とにかく旅をしたいと思っていた。あてもなく目的も無い一人旅がしたいと思っていた。そんな時ある本に出会う。「日本の川を旅する」 いつかはカヌーに乗ってみたいなと思った。
数年後キャンプは大好きなんだけどすごく小心者で、フライフィッシングも好きだけど小心者で、カヌーも大好きなくせに小心者の一人のなんちゃってアウトドアマンが誕生した。ここでいう小心者とは、出かける直前までドキドキが止まらず(決してワクワクだけではない)、高い買い物は考えに考えた上買わなかったことも数知れず、尺イワナ釣りたいと思う反面、実際に釣れたらどうしようと訳の分からない心配をしている者のこと(なんのこっちゃ)。
でもボクがボクらしくいられる場所はやっぱり、山であり、川なんだなあとしみじみ思う。美しいものを自分の目で見て、感動するというのはとっても大切なことであると同時に、必要なこと。
この秋、家族4人で蔵王五郎岳登山?に行った時、ほんのちょっと歩いただけで、同じ紅葉の山々が数倍もの存在感と感動をボクと妻と息子に与えてくれた。身近な自然でもきっとボクたちがその中に身を置くことによって感じることが出来る「何か」を持っているに違いない。
きっとボクはそれを探しに行きたいのかもしれない。
そんな「何か」を妻であるChiチャンと長男Shu 次男Ryoと分かち合いたい。そう思いこれからも旅を続けていくだろう。
ボクらのアウトドア熱はまだまだ冷めそうもない。