Our Base Camp!

ボクらは今日も旅に出る 山へ 川へ 見知らぬ土地へ 人生が旅ならば 気に入った場所すべてがボクらのBase Camp

水のたび

敬老の日は、珍しく1日休みだった我が家。前日にばあちゃんにプレゼントは渡したし準備OKということで、朝練に行くおいらである。何の朝練かってそりゃもう・・・・釣りですよ(苦笑)。

今日は家族で月山ハイキングに行くので朝の2時間だけが勝負である。あいも変わらずホームリバーM川に着いたのは5時半。前回とは場所を変えて本流筋に入渓する。本流といっても小さな川なので先行者がいると辛いんだけど、幸いにも先行者はないようである。まずはお決まりのおいらのパイロットフライであるブラウンパラシュートで釣り上がる。

幾筋かの流れにフライを丁寧に流しながら、ふと川を眺める。水は絶え間なく流れ一時として立ち止まることはない。そんな中で一人時間を惜しみながら川の中に立ち尽くし、フライを投じる。なんて贅沢なひと時。そんなことを考えながらも心のどこかで「ヤマメ~イワナ~」と考えている自分がいるのだ。釣り人とはある意味不思議な生き物である。現状に満足できない、もっと釣りたい!もっとサイズが!と言いながらもこうして流れの中で竿を振っている心地というのは至福の時なのだから。

あまりにも渋い反応にフライをピューパタイプに変え、流れの外側のエディ部分に投じたとき、

バシャ!

ジャンプして全身を見せながらのライズでフライに食いつくヤマメ。あまりの勢いに合わせ損なったおいらは、無謀にももう一度同じレーンにフライをそ~っと流す。1度目、2度目と何も起こらない。やっぱり駄目かと半ば諦めながらの3度目・・・・・またも

バシャ!!

華麗なヤマメのジャンプ!冷静に合わせる・・・・・残念(涙)

その後は姿は見えれど反応薄く、心残りの納竿。先程までの至福の時はどこへやら。結局釣りは釣れるからこそ満足できるのだと実感したおいらであった。

急ぎ足で帰宅しハイキングの準備に取り掛かる。水筒、おやつ、着替え、ファーストエイドキット、カメラ、ベビーキャリア、ストック等など。今日のコースは月山は月山でも「山形県立博物園月山ネイチャーセンター」の周辺のブナの森の散策といった感じのハイキングである。勿論そのネイチャーセンターからも月山山頂までの登山道はあるんだけど、そのコースは健脚向き。一般的には月山はもう少し上部にある姥沢小屋まで車で行き、そこから登山リフトを利用し登るのである。いつかは家族みんなで月山山頂に立ってやるぞ~!と言いながらも今回は我が家の現在のレベルに合わせた楽しいハイキングコースである(笑)。

最初は館内でどんぐりや木の実で遊びながら、今日はどんぐりを探すことに決定!情報によると蜂の巣があり、通行止めになっているコースがあるので、とりあえず月山の湧き水が飲める場所を目指し出発する。川沿いに歩く道は流れの音が心地よく時より吹く風もさわやかである。で川沿いに素敵なところを見つけてしまったのだ。

ハンモックである。二張りあったハンモックに交代で横になると、自分がブナの森に溶け込んで行くような不思議な感覚に陥るのだ。すっかりこの場所が気に入ってしまった我が家はここで早くも昼食である(笑)。食後もハンモックに寝たり川を覗きに行ったりして遊んでいると、一組のカップルがやって来て、「湧き水ってここですか?」と聞くので、地図を見せながら説明する。

我が家もかたずけて湧き水を目指し出発!でも途中、モリアオガエルを見つけたり、サワグルミの実やドングリを見つけ中々進まない。隊長Shuは勿論張り切っているんだけど、Ryoまでキャリアから降りて歩くと言い張る始末。まあ時間を気にせずゆっくり行こうと思っていると、先程のカップルが別のコースから戻ってきて「湧き水って遠いんですか?」というので、Chiチャンは「私たちもそこに行くのでよろしければ~」とお誘いする。こっちはRyoがのろのろなもので、道案内をShuに任せ(といっても単に先頭を歩いてるだけだけど)、みんなで湧き水を目指す。

結構な坂道も登り終えたところで、お二人が「もっとかかるんですか?」と聞いてきた。さすがに女の人はサンダル履きだし、男の人も革靴ってことで疲れてきたのかなっと思ったんだけど、ここまで来たんだし何だかおいらも行かせたくて(笑)、思わず「もう少しですよ」と声かける。

我が家の面々は相変わらずShuはぐいぐい歩くし、なんだかんだいってRyoもずっと歩いている。町の中からそのまま山に遊びに来ちゃったお二人とは違って、長ズボンにスニーカーだし、手にはストックだし、なんちゃってとはいってもそれなりに準備してるので不測の事態が起こってもそれなりに対応できる自信はある。

やっと湧き水の場所に到着し、冷たい水で喉を潤しながらちょっと休憩。せっかくここまで歩いたお二人は森の中を歩くことの楽しさを感じることが出来ただろうか。もし二人が何年後かに子どもを連れて、今日のハイキングコースを歩くようなことがあったらすごい素敵なことだなあと思う。その時はせめてスニーカーでね。

帰りのコースはさすがにRyoはキャリアに乗り、Shuも足にきたらしい。途中Chiチャンがヘビを見つけると隊長は完全にびびってしまい「おとうさんと隊長交代!」(爆笑)。

今日の朝触れたM川の水も、月山で触れた湧き水も不思議なことにいつの日か、母なる川最上川に合流し、共に海に注ぎ込むのである。

人生は川の流れのように滔々と流れるのである・・・