結婚して7年、お互いの存在が空気のようにアタリマエになっている。それはそれで良いことなのだ。でも何かときめくものがほしくなる、そんな時期なのか。
妻は結婚する前は、カノジョであり、結婚してからは、ツマであり、子どもが産まれてからは、ハハオヤであり、最近に至っては、二人の子どものカアチャンである。
さながら出世魚のように名前を変えながら成長していく。
それに比べておいらはというと、基本的には結婚する前と何も変わっていない。変わったのは体重と顔のしわだけだ。要するに男というものはいつまでも子どもなんだろうね。
日々、釣りのことやカヌーのこと、そんな遊びのことばかり考えている。
子どもが産まれる前は、何とか妻もアウトドア好きにさせたい一心で、いっしょに釣りに行ったり、カヌーに行ったり、キャンプに出掛けたりしたものだ。ある管理釣り場ではおいらが釣れないのに、最初に40のブラウンを釣り上げたりもした。
妻も現在決してアウトドアが嫌いな人種ではないのだが、おいらのように狂ってはいない。きちんと母親の仕事をしながら、子どもたちの成長に合わせて活動すべきだと思っているし、雨の日寒い日はショッピングの方が適していると答える良識のある人種である。
でも妻は「趣味は?」と聞かれたら、何と答えるのだろう。
よく夫婦共通の趣味を持つことは夫婦円満の秘訣のように云われる。たしかに良いだろうなとも思うし、そうなるよう子どもが産まれる前は、自分の趣味に妻を引き込もうとしたのも事実である。
でも、ある夫婦の話を聞いて、お互いを大事にしなきゃと思ったのだ。その夫婦とは、前述した管理釣り場のオーナー夫婦の話だ。
その管理釣り場は夫婦2人だけでやっているようなアットホームな場所なのだが、それは受付もかねている喫茶店にいる奥さんのおかげである。オーナーは大の釣り好きで趣味が高じて、管理釣り場を開業した人なのだが、奥さんはというと釣りは全く興味がない。その奥さんが笑顔で「夫婦ってそういうものですよ」と言っていたのである。トイレには奥さんの趣味であろうクラシックのコンサートのポスターが貼ってあった。
あんな関係もステキだなって思った。お互いがお互いの趣味に理解を示し、尊重しあっている。これも夫婦円満の秘訣なのかも。
ということでたまには妻の買い物に付き合いますか! 荷物係と子守係を引き受けて…